まぶたのたるみ・垂れ下がり=眼瞼下垂は
目元の見た目の問題だけではなく、
おでこや眉間のシワの原因、
さらに
しつこい頭痛や肩こりの原因になることもあります。
テレビ番組でも
「世界一受けたい授業」2012年7月14日
「たけしのみんなの家庭の医学」2012年10月9日
「あさイチ」2013年8月5日
「ガッテン」2016年5月25日
など、繰り返し取り上げられています。
眼瞼下垂の予防や改善方法についてまとめました。
この記事の目次
眼瞼下垂とは?
眼瞼下垂とは、
上まぶたが上げにくくなり、
まぶたが垂れ下がってくることです。
眼瞼下垂には、先天性のものと後天性のものがありますが、
ここでは、後天性眼瞼下垂についてとりあげます。
後天性の眼瞼下垂の主なものは
腱膜(けんまく)性眼瞼下垂
と呼ばれるタイプです。
上まぶたには
眼瞼挙筋(がんけんきょきん)とミュラー筋
という2つの筋肉があり、
この2つは、瞼板(けんばん)という
上まぶたのフチにある軟骨につながっています。
眼瞼挙筋と瞼板の接合部分である
挙筋腱膜が切れたり、薄くなったり、瞼板との間が離れてしまう
ことがあります。
こうしてまぶたが上げにくくなるのが
腱膜性眼瞼下垂です。
腱膜性眼瞼下垂の原因とは?
腱膜性眼瞼下垂を起こす原因は、
- 加齢
- 花粉症やアトピー性皮膚炎で目をこすること
- アイメイクを落とすときにコットンでこする
- コンタクトレンズの装着時にまぶたを引っ張る習慣
などとされています。
日本人は上まぶたの脂肪層が厚く、
それも腱膜性眼瞼下垂を起こしやすくなる
理由のひとつだそうです。
どうして頭痛や肩こりを起こすの?
まぶたがたるみ、垂れ下がると、
視界が狭くなり、
無意識に、大きく目を開けようとします。
しかし、まぶたの力だけでは目が開かないため、
おでこの筋肉=前頭筋を使ってまぶたを持ち上げようとするので、
常におでこの筋肉が緊張している状態になります。
そのため、おでこに横シワができたり、
眉間にシワがよったりします。
おでこの筋肉は、後頭部から肩、腰の筋肉までつながっています。
おでこの筋肉の緊張は全身に伝わり、
頭痛・肩コリ、さらには腰痛を引き起こしてしまうことがあるのです。
起きている時間中はずっと、上まぶたを上げているわけですから、
その負担はかなりのもの、と想像できますよね。
「世界一受けたい授業」(2012年)では
福岡大学医学部形成外科診療部長・大慈弥裕之医師が、
眼瞼挙筋でまぶたを上げられなくなると
ミュラー筋に負担がかかり、
ミュラー筋は自律神経につながっているので、
自律神経症状を起こす、
という指摘をされていました。
ただ2016年現在でも、
ミュラー筋はなんのためについているのか、
まぶたの開閉についてどのような働きをしているのかは
諸説あり、まだ統一した見解はない、とされています。
眼瞼下垂のチェック方法
「世界一受けたい授業」で紹介されたのは
医療用テープや1円玉を使う方法でしたが、
「ガッテン」の方法の方が、特別な道具も必要なく
分かりやすいと思います。
1.鏡の前で、両目を軽く閉じます。
2.人差し指でまゆ毛を押さえます。こうすることでおでこの筋肉=前頭筋で
まぶたを開けなくします。
3.そのままの状態でゆっくり目を開きます。
こうしてみて、
瞳孔(黒目の中心部分)にまぶたがかかっていなければ正常ですが、
かかっている場合は、まぶたの垂れ下がりが進行しています。
このチェックはあくまでもセルフチェックであり、
「もしかしたら」と思う方は
眼科を受診してくださいね。
眼瞼下垂の改善法1「手術」
眼瞼下垂の手術は、どの眼科でも行っている
わけではないので、
診断を受けた眼科で紹介してもらうか、
日本掲載外科学会のサイトに掲載されている
認定施設一覧から問い合わせするとよいでしょう。
手術は、黒目の中心部にまぶたがかかり
頭痛・肩こり・腰痛などの症状が眼瞼下垂によるものと
診断されると、保険が適用され、
15000円~50000円
程度の費用になります。
ほとんどの場合、手術は日帰りで可能ですが、
だからといって簡単な手術、というわけではなく、
実は、眼瞼下垂の手術には、失敗も多い、と言われています。
目は顔の中でも目立つパーツで、左右がありますので、
眼瞼下垂の手術では、
まぶたが開くようにすればよいわけではなく、
左右の目の開き方、形が同じにならなければならないのですが、
手術直後はまぶたが腫れるために結果の確認がしにくいのです。
また、手術結果には問題がなくても
手術の結果、おでこの筋肉で眉毛を上げる必要がなくなるので、
眉毛の位置が下がってきて二重の幅が狭くなり、
見た目が変わった、と感じる人もいます。
眼瞼下垂の改善法2「二重まぶたグッズ」
「ガッテン」で紹介されたのが、
手術をせず、市販の二重まぶたグッズ(二重メーク用品)を使って
まぶたを引き上げる方法です。
「アイプチ」はイミュの商品名ですが、
今では、二重まぶたにするメイク用品の通称になっています。
使うグッズは、ノリ、テープ、ファイバーなどどれでもよく
番組で、頭痛・肩こりに悩む男女5人に1週間、
二重にするメイクを継続してもらったところ、
5人中4人が改善したそうです。
ですが、アイプチ自体が眼瞼下垂の原因になる
という指摘もあるのが気になるところ。
アイプチを装着するときも、
落とすときも、
まぶたをひっぱったり、
擦ったりしないことが大切です。
まぶたのたるみが頭痛肩こりの原因にも・眼瞼下垂症の改善方法とは? まとめ
まぶたがたるんで目が開きにくくなる
眼瞼下垂になると、
額の筋肉で代わりにまぶたを引き上げようとして、
前頭筋から、首、肩、背中、腰まで筋肉の緊張が伝わり、
頭痛、肩こり、腰痛の原因となります。
眼瞼下垂の医学的な治療法は
手術によるもので、
「ガッテン」で紹介された、
二重まぶたグッズ(アイプチ)で
まぶたを引き上げる方法も効果はありますが、
アイプチを使うためにまぶたを刺激してしまうと
逆効果なので注意が必要です。