ごはんを炊くときにココナッツオイルを入れると
摂取カロリーが半分になり、ダイエット効果がある、という説があるのですが、
いったい、どんな仕組みでカロリーが半分になる、といっているのでしょうか?
調べてみたのですが、私は、
日本で手に入りやすいコシヒカリ系のお米にココナッツオイルを加えて炊いても
カロリーが半分になる、というほどの効果があるのかどうかは「?」と思いました。
この記事の目次
ココナッツオイルご飯とは?
American Chemical Society (ACS)の国際会議で、
発表された、
スリランカのチームの研究によると、
お米を炊くときに、
ココナッツオイルを入れると、
炊きあがったご飯を食べた際の摂取カロリーが
50~60%オフされるそうです。
ご飯を炊いている家庭で
ココナッツオイルが、米の中のでんぷんを変化させ、
消化されにくい、難消化性でんぷん=レジスタントスターチに
変える、とされています。
レジスタントスターチとは?
ご飯の主な栄養成分は糖質で、食べると血糖値を上昇させます。
血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンが分泌され、
細胞に血液中の糖を取り込ませますが、インスリンには脂肪を蓄積させる作用もあるため、
糖質の多い食べ物は太りやすくなる、
とされています。
しかし、米の中のでんぷんがレジスタントスターチに変わると、
小腸で消化吸収されにくくなるので血糖値が上昇しにくくなります。
それだけではなく、食物繊維のように、
糖質や脂質の吸収を抑え、
大腸内で善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがある、とされています。
ココナッツオイルご飯の炊き方は?
研究では、
米の3%量のココナッツオイルを入れて
で40分炊く、とされていますが、
炊飯器で炊いてもよいようです。
【材料】
- 米1カップ
ココナッツオイル小さじ1
お米の量を増やす場合は、
この割合でココナッツオイルも増やします。
【炊き方】
1.米を洗いざるに上げます。
2.炊飯器の内釜に洗った米を入れて
普通に水加減をします。
分量のココナッツオイルを入れます。
3.いつも通りに炊きます。
4.炊きあがったご飯を容器に移し、
粗熱が取れたらラップをして冷蔵庫に入れ
12時間(半日)冷やします。
ココナッツオイルご飯を冷ご飯にする
炊きあがったココナッツオイルご飯は、
半日(12時間)冷蔵庫で冷やします。
ココナッツオイルを入れて炊いたご飯は、
冷蔵庫で冷やすことで、炊き立ての10倍程度レジスタントスターチの量が増えます。
ココナッツオイルご飯と、冷ご飯ダイエットとの違いは?
ご飯のでんぷんは、ココナッツオイルを入れなくても、冷蔵庫で5時間程度冷やすと一部がレジスタントスターチに変わり、それを食べるとダイエット効果があるので、冷ご飯ダイエット、として広まっています。
しかし、冷やして増えたレジスタントスターチも、
レンジで温める、など再加熱すると
再び消化されやすい状態になってしまいます。
冷蔵庫で冷やしたヒエヒエご飯が苦手な場合、常温までは戻してもよいのですが、温かいという状態にしてはダメなのです。
しかし、ココナッツオイルを入れて炊いた場合は、
いちど12時間冷やしてレジスタントスターチを増やしたら
再加熱しても消化されにくい効果は変わらない、とされています。
ココナッツオイルご飯の味は・・・?
ココナッツオイルには甘い匂いがあり、
主食のご飯があの匂いになるのはイヤだなあ、
という人もいると思います。
冷蔵庫で半日冷やすとココナッツオイルの匂いはかなり薄らぎますが、
ココナッツオイルご飯のメリットである、温めなおしをすると、また匂いが出てきます。
ココナッツオイルの匂いが苦手な人は、無臭タイプのココナッツオイルを使うと食べやすいでしょう。
こちらのココナッツオイルは、
高圧スチームで脱臭しており、薬品は使っていないそうです。
味自体は、温かい状態だとやはりオイリーな感じがしますが、
むしろ、冷蔵庫で冷やしたり、
冷めた状態のままでもポソポソではなく食べやすい
と感じる人が多いようです。
ココナッツオイルご飯は冷凍保存できる?
ココナッツオイルを入れてご飯も、
普通ご飯と同じように冷凍保存できます。
レンチンして解凍して
温かいまま食べても効果が変わらないのがいいですね。
普通ご飯は炊きたてをラップに包んで粗熱をとってから
冷凍、と言われていますが、
ココナッツオイルご飯は、冷凍する場合も
いちど冷蔵庫で12時間冷やすことが必要です。
12時間冷やしたものを冷凍してください。
米の種類によってカロリーオフの効果が違う?
ココナッツオイルを入れて炊いたご飯のカロリーが半分になる、
という研究発表をしたのはスリランカのチームであるため、
使った米はスリランカでよく食べられている長粒種=インディカ米で、日本のコメ(ジャポニカ米)では同じ程度のカロリーオフ効果はないのではないか?
という指摘もあります。
もともと、タイ米のようなインディカ米は
日本のお米に比べてレジスタントスターチの含有量が多く、
冷やさないで食べても血糖値が上がりにくいとされています。
ですから、ココナッツオイルご飯にした場合も、
日本のお米より、インディカ米の方が効果が高い、
ということは十分感がられるわけです。
実は、日本のお米の中でも、品種によるレジスタントスターチの量の差はあります。
お米に含まれるでんぷんには、
アミロースとアミロペクチンの2種類があり、
アミロースが少ない方がモチモチ感が増し、
最近人気の品種がほとんどすべて
低アミロース米です。
しかし、レジスタントスターチの量が多いのは、
高アミロース米です。
冷めるとボソボソしがちですが、
ココナッツオイルを入れて炊けば
その点がかなりカバーされて食べやすくなります。
高アミロース米は流通量が少ないのですが、
ゆきひかり、とおせんぼなど、
アレルギー対応や、血糖値が上がりにくい米、として販売されているものがあります。
ココナッルオイルご飯でダイエット・カロリー半分になるって本当? まとめ
ココナッツオイルを入れてご飯を炊き、冷蔵庫で12時間増やすと、難消化性でんぷんであるレジスタントスターチが増え、
ダイエット効果のあるごはんになります。
ココナッツオイルご飯は、一度冷やして増えたレジスタントスターチが再度温めても戻らないところが、
冷ご飯ダイエットとは違います。
ただ、カロリーが半分になった、という研究発表ではスリランカの長粒米が使われていることが考えられるので、
日本で一般的な、モチモチした米では同程度のカロリー低減効果は得られない可能性もあります。
インディカ米を使うか、日本の米の中でも高アミロース米でココナッツオイルご飯を炊くと、普通の日本のお米よりも、レジスタントスターチの量が多くなります。