2016年12月17日に、
twitter上に
佐賀県内の県立高校の男子生徒が、
ニホンアナグマと思われる動物の遺骸(口から血を流している)の写真と
「おいん家の玄関におったけん、バットでフルスイングしてぶち殺してやった笑」
と投稿し、
その後、生徒のアカウントは鍵アカ(フォロワー以外には表示されない)
になりましたが、
生徒の行為に憤ったtwitterユーザーが、
スクリーンショットを拡散し、
生徒のtwitterプロフィールに書かれていた高校名、
やりとりがあった彼女のアカウント、
生徒の実名らしい個人名
が特定されて、炎上しました。
通学している高校にも抗議の電話が殺到し、
ニュースにもなっています。
その後、
佐賀県ではアナグマは駆除の対象となる害獣であり、
生徒の家では自治体に駆除を申請していた
花壇を荒していると思われたアナグマらしい動物を追い払おうとして
バットが当たってしまい、「フルスイング」は盛った表現、
投稿は親への報告のつもりだった
という説明があった、とうことです。
(ハフィントンポストのニュースを参考にしました)
http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/18/anaguma_n_13715958.html
アナグマは害獣だからだれがどんな方法で駆除してもいいのか?
生徒の投稿に非難が殺到する一方で、
害獣を駆除するのは問題ない
というtweetを私もいくつか見ました。
それに対して、狩猟に従事している人からこんな意見が。
有害鳥獣駆除はごく一部の例外鳥獣を除いて、駆除での捕獲許可を受けた当人か、従事者名簿に記載されて従事者証を持った者以外が行った場合は、無許可捕獲となって鳥獣保護法違反となる。例え駆除対象に指定されている鳥獣でも、勝手に捕殺することは出来ない。その辺りを誤解している人間が多すぎる。
— 桔梗屋 (@r_kikyoya) 2016年12月20日
ごく一部の例外とは、農業又は林業に係る被害を防止する目的に限ってネズミ類とモグラ類を捕獲する場合だけだ。例えどんなに被害が出ている地域でも、アライグマやアナグマ等の動物を無許可で駆除することはできない。駆除目的なら勝手に捕殺してもいいという解釈は間違っている。拡散すべきではない。
— 桔梗屋 (@r_kikyoya) 2016年12月20日
生徒の家では、駆除申請を出していたかもしれませんが、
高校生が自分で出しているのでなければ、
無許可捕獲で鳥獣保護法違反となるようです。
また、仮に、
この生徒の行為が、法律上は問題なかったとしても
→ アナグマなら、いつでも、どこでも、だれでも
殺して問題ない
という会社は間違いです。
例えば、
千葉県館山市では、
アナグマについては、害獣として捕獲する許可を
千葉県知事から得ていません。
(館山市ホームページ)
http://www.city.tateyama.chiba.jp/nousuisan/page100290.html
法律違反かどうか以外の問題
たとえ、鳥獣保護法問題ない駆除であったとしても、
小動物が口から血を流して死んでいる写真に
ぶちころしてやった 笑
という投稿をみたら、
ドン引きする
というのが、現在の日本の文化を共有して暮らしている
多くの人の感覚ではないでしょうか?
それが正しいかどうか、とか、
マムシならどうかとか
ゴキブリはみんな殺すじゃないか
という問題ではなくて、
哺乳類の死体に対して
多くの人が忌避の感覚を持つ、という
事実があり、
それを逆なでするような発信をすると
炎上する可能性が大だ、ということです。
校長が言うように「親への報告」なら、
ダイレクトメッセージや
LINEでやればいいことです。
facebookで、
アフリカでキリンを射殺した13才の少女が
獲物と父親と一緒の写真を投稿して炎上しましたが、
猫が捕まえたネズミやセミを飼い主に見せてくるような気持ちが
人間にもあり、
だから、公開の投稿をしたのでは?
と思えます(推測ですけれど)。
ですが、
食べるためにしても、農作物被害の防止のための駆除でも
人間の都合で動物を殺す以上、
それを悼み、畏れる心がなければいけないのではないでしょうか。