季節の変わり目や低気圧で頭痛が起きることってありませんか?
季節・気圧・天気の変化によって起きる不調を気象病・天気痛と言います。
自分でできる気象病の予防法・対策についてまとめました。
この記事の目次
天気や気圧の変化が頭痛の原因になる
気象病とは、気圧の変化などの、気象が原因となって、何らかの症状が起きたり悪化したりする病気のことです。
頭痛、神経痛、昔ケガや手術をした古傷の痛み、
関節リウマチ、心臓疾患、脳梗塞、喘息、またうつ病なども気象の影響を受けることがあるのだそうです。
昔から、お年寄りの神経痛が雨の予報になったり、と、気象病に当たるような症状は知られていたのですが、
なぜ気象病が起きるの?
人の体は気象、とくに気圧の影響を受けていますが、もともとは体の内部の環境を一定に保つホメオスターシスがはたらき、
外部環境が変化してもその影響をダイレクトに受けないように調整されています。
しかし、
- 爆弾低気圧など、気圧の変化があまりにも急激に起こる
- ストレスや生活習慣によりホメオスターシスの正常な機能に大きく関係している自立神経の働きが乱れている
といった原因により、気象の変化に対応しきれずに痛みや不調が出てしまうことがあります。
気象病の仕組みは乗り物酔いに似ている
最近の研究で、気象病の仕組みが乗り物酔いによく似ている、ということが分かってきました
耳の中にある内耳にはリンパ液が溜まっています。
個のリンパ液には、体が動いたときにその傾きを脳に伝えるという役割があります。
脳は目から入ってくる情報と内耳からもたらされる情報によって体のバランスをとっています。
内耳は、体のバランスを取るだけではなく、
気圧の変化を感じ取るセンサーとしての働きもあります。
気圧が急激に変化すると、体の傾きとは無関係に、内耳のリンパ液に流れが生じます。
このような時、視覚情報と、内耳のリンパ液が流れている(体が傾いているときと同様)という情報の違いが
脳には強いストレスとなります。
脳が強いストレスを感じると交感神経が興奮します。
交感神経が興奮すると、血管の収縮し、それに伴う虚血痛や、
筋肉の攣縮痛、さらに血管から分泌される物質による炎症性疼痛などの痛みが起こります。
このような仕組みで、低気圧による刺激で、
頭痛、古傷の痛み、神経痛などが起きたり、症状が強まったりするのです。
視覚情報と内耳からの情報のギャップで付帯な症状が起きる、という仕組みは
乗り物酔いが起きる仕組みととてもよく似ています。
気象病対策1「痛みが起きるタイミングを知る」
自分の頭痛は気象病かも、と思ったら、
まずは気圧や天気の変化と、頭痛の関係をチェックして、それを記録しましょう。
スマホアプリの頭痛ーる
を使うと、簡単にその時の気圧と自分の症状の記録ができます。
チェックすることで、まず、自分が気象病がどうかを判断することができます。
もしかしたら天気の変化とはほとんど関係がない
タイミングで症状が強くなっているのかもしれません。
その場合は、別の対策が必要ですよね。
気圧・天気の変化と頭痛の出方に関連がある、気象病の可能性が高そう、と思った場合も
気圧の変化をいつもチェックしておくことで予防・対策が立てやすくなります。
気象病対策2「乗り物酔いの薬を飲んでみる」
気象病の症状が出るのは、乗り物酔いと同じ仕組みだと考えられている、とご説明しましたが、
そのために乗り物酔いの薬で症状を抑えられる場合があります。
市販の酔い止めの薬で良いのですが、
大事なのは飲むタイミングで、頭痛なら頭痛が起きる前に飲まないと効果があまりありません。
ですからアプリなどで気圧の変化をチェックして気圧が大きく下がりそう、というときに飲む必要があります。
乗り物酔いをよくする人は、酔ってから薬を飲んでもあまり聞かないことを体験的に知っているでしょう。
それと同じことです。
酔い止めは市販薬ですが薬ですので、用法容量を守って使ってください。
また、他の薬を飲んでいる方は医師や薬剤師に相談してください。
気象病対策2「ツボを押す」
自立神経の働きを整えるツボが気象病の症状緩和に効果があるといわれています。
内関
内関の場所は、手首にある2本の腱の間、手首の曲がりじわから指3本分下がったところです。
自立神経を整え、乗り物酔いやつわりなどの吐き気止めにも効果があるといわれています。
完骨
完骨の場所は、耳の後ろの、骨の乳状突起の下です。
ここは、めまいや頭痛に効果があるツボです。
ツボの上に炊いていない米粒を絆創膏で貼り付け、ときどき指でその上を押す方法なら
気になったときにいつでもピンポイントでツボ刺激ができます。
内関は、ツボ刺激専用のリストバンドも市販されています。
ペットボトル温灸といって、ペットボトルに80度のお湯を入れてツボのあたりを
温める方法も有効です。
注意! ペットボトルに入れるお湯は80℃以下にしてください。
ポリエステル樹脂の耐熱温度は85℃です。
熱すぎるお湯だと、変形してしまいます。
ツボの場所は、目安の説明に従って指で押してみて、
ズーン、と響くような感じがするところです。
頭痛は気象病が原因?自分でできる予防法と対策とは? まとめ
低気圧で体調が悪くなる、といのは仮病や気のせいではなく、
本当にありうることです。
気象病は医師の間でもあまり知られておらず、気象病専門の外来は非常に数が少なくて、
病院で診察を受けてもなかなか「気象病」に対する治療を受けることは難しい状態です。
症状を和らげるために、自分でできる対策としてはご紹介した方法がありますが、
自立神経のバランスを整えるため、睡眠、夜はお風呂にゆっくり入る、といったこともとても大切です。