モルモットの目から、白いドロっとした脂っぽい涙が出たり、
目のフチに目やにのようなものがついていたら、その原因は目の病気なのでしょうか?
モルモットはもともと人間よりも涙が脂っぽく、目やにがついていても病気ではないこともある
目の炎症や、涙管のつまりが原因のこともある
モルモットの白い涙・目やにはどんな場合に出るのかを調べてみました。
モルモットの目の周りに白いものがついている
モルモットの目の周りに、こんな風に白いものがついていることがあります。
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こんな感じです。
(このモルモットさん、ストレートの長毛なので種類はシェルティー、かな)
この子の場合、しばらく見ていると、
目の周りについて乾いているものの他、
目から半透明の白くて粘度がありそうな液体が出ていました。
ペットとして一緒に暮らしているモルモットの目の周りがこうなっていたら
「目の病気?」なのか、がまず気になると思います。
病気ではない場合も
モルモットの目から白い涙や目ヤニが多めに出ていても、
病気ではない場合もあります。
モルモットやウサギの目は、
人や、他の多くの哺乳類と違い、
眼球のふくらみが顔の輪郭の外に出ています。
このような目の構造になっていると、
後ろが見やすくなり、
早く敵に気が付くことができる、という利点があります。
いっぽう、眼球が眼窩よりも飛び出していると
乾燥や異物によって目が傷つきやすい、
というデメリットがあります。
そのため、
ウサギやモルモットの涙は
油分が多く、ドロッとしていていて、
飛び出した目の表面を覆って守っています。
もう少し、涙について詳しく説明しますね。
涙には、油層、涙液層、ムチン層の3層があり、
油層は、まぶたのフチにあるマイボーム腺というところから
分泌されています。
マイボーム腺はヒトにもあります。
モルモットやうさぎはマイボーム腺から分泌される油の量がヒトよりも多いのだそうです。
私は、このマイボーム腺が詰まって、プツッと白く膨れてきたことがあって、
膨れている個所の周りを少し押すと、白い皮脂のようなものが出てきました。
また、そのころは朝起きると睫毛の根元が白くカピカピしていて、
まさに、この写真のモルモットさんのようになっていることが多かったです。
(そのふくらみは特に傷みはなかったのですが、
あるとき、ちょっと痛いな、と感じていつもよりも強めに
押したら、ちょうど生米くらいの大きさの固くなった油の塊が出てきて、以後は治りました。
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自分で押すと、雑菌が入ったりすることがあるので本当はよくないみたいです><
幸い自分は腫れたりはしませでしたが。)
話をモルモットに戻すと
もともと、
ヒトよりもマイボーム腺からの油分が多く分泌されているため、
目のフチに乳白色の涙が溜まっているように見えたり、
目の周りの毛がカピカピになったりすることが
健康なモルモットでも起こりやすいのだそうです。
顔の毛色が黒っぽい個体では、特に目立ちやすくなります。
病気などの原因がある場合
一方、病気が原因で、白い涙が多く出たり、
目ヤニが溜まったりすることもあります。
【角膜炎】
モルモットは目が飛び出しているので、
目にエサの乾草などが突き刺さって角膜に傷がつき、
炎症を起こすことがあります。
【結膜炎】
結膜炎は、白目とまぶたの裏側を覆っている結膜が、
細菌やウィルスの感染、
アレルギーなどで起きる炎症で
白目が赤く充血します。
かゆみがあるので、目元をかく仕草が多くなることがあります。
【マイボーム腺腫】
これは、私がなったのと同じような症状で、
マイボーム腺が詰まって、目のフチにプチッとできものができます。
マイボーム腺から出る油の粘度が高くなっているため、
目ヤニが目頭にたまったり、
目の周囲の毛に絡まったりすることもあります。
治療は、外科的にマイボーム腺腫を切除するか、
点眼薬によるものになります。
【鼻涙管狭窄】
涙は、目頭にある涙点という穴に吸い込まれ、
鼻涙管という管を通って鼻の奥に流れます。
(ヒトが、ものすごく泣いたときに鼻水が出るのは涙が鼻の奥に流れているため)
鼻涙管が狭くなったり詰まったりすると
涙が目にあふれてくることがあります。
鼻涙管に、涙の中の油分が固まったミルク状や固形状の閉塞物が
詰まっていることもありますし、
モルモットやウサギのようなげっ歯類では、
上顎前臼歯の歯根過長(伸びすぎること)や炎症が
原因で、鼻涙管が詰まることもあるそうです。
歯根が原因である場合、
食欲の減退が見られることがあります。
ちなみに、人間の赤ちゃんにも、先天性・後天性の鼻涙管閉塞があり、
その場合、やはり涙の量、目ヤニが増えることがあります。
病気かも、の基準は?
動物は痛い、かゆい、と言葉で伝えることができません。
もしも、ペットとして飼っているモルモットさんの目に、目ヤニがついていたら
大丈夫なものか?病気が原因なのか?
心配になると思いますが、
- 目が充血している
- 涙が常時あふれている
- 目のフチにできものがある
- 目のあたりを掻くことが増えた
- 食欲がない
などの様子があれば、
モルモットを診察してくれる動物病院を受診したほうがよいでしょう。
↑私は、今回、この写真のモルモットさんと出会って、「モルモットの目ヤニ」について調べていて、
モルモットは身近な動物のイメージがありますが、
実はエキゾチックアニマル、という区分に入り、イヌネコと比べて、見てもらえる病院も限られる、ということを知りました。
目ヤニが出る、白い涙が出る、以外にも、モルモットにはこんな病気があります。
- 目の外傷
- 白内障
- 尿路結石
- 歯のかみ合わせが悪くない
など。
まとめ
写真の黒いモルモットさんは、動物園の小動物ふれあいコーナーで会った子です。
「目ヤニですか?」と、飼育員さんに質問したところ、
目の周りにカピカピが付きやすい個体で、病気ではない、という説明でした。
(そうですよね、病気の子をふれあいに参加させるということはないはず。)
確かに、近くでよーく見ても、充血や、涙がたくさんあふれているということもありませんでした。
ヒトの場合も、朝起きたら目頭に目ヤニが溜まっていたけれど特にかゆみなどの他の症状はなく、眼科に行ったり目薬を使ったりせずに症状がなくなっていくことがありますが、
モルモットはどうなんだろう?
と思って調べてみたら、
もともと、他の動物よりも目の構造的に目ヤニが出やすい、ということなんですね。
目の病気で、目ヤニ・白いドロっとした涙が出ている場合は
かゆがっている様子があったり、白目が充血していたり、
食欲がないなど他の全身症状が出ていたりします。
もし、いつも気になるほどの目やに、白い涙が出ているようなら、
そうした点をよく観察してあげるとよいのかな、と思います。