ジャムは、果物+砂糖で煮詰めるだけ、というイメージがありますが、実は梅ジャムは
えぐみが残る
寒天のように固まってしまう
という失敗があります。りんごジャムなんかだと、そういう失敗はないんですけれどね。
せっかく手間をかけて作るので、失敗せずに作る方法を知っておきたいですよね
目次
梅ジャムで失敗してしまうのはなぜ?
梅ジャムの代表的な失敗は、
えぐみが残っている
固まりすぎてしまう
の2つです。
エグミが残る理由
青い梅の実には強いアクがあります。
しっかりアクぬきしないと、アクがえぐみのもとになるのは分かりますよね。
固まりすぎる理由
またイチゴやリンゴなどの、他のジャムにする果物よりも多くのクエン酸が含まれています。
クエン酸は「酸味」なのですが、ジャムのとろみのもととなる、ペクチン(HMペクチン)は糖分と酸、加熱によって固まりますので、
酸味が強い梅は煮詰めすぎたり、火が強かったりすると
冷えたときにぶりんぶりんになりやすいのです。
、失敗しない梅ジャム作りには
アクぬきをしっかりすること
煮詰めるときの火加減、煮詰め加減
に注意が必要、ということになります。
梅のアクぬきに「水に漬ける」は必要?
梅をあく抜きするとき、あらかじめ「水に漬けておく」という人とそうでないという意見の両方があります。
これは、使う梅の熟の進み方による違いで、
- 完全に青い梅 3時間~6時間
- 少し熟した梅 3時間くらいまで
- 完熟した梅 水に漬ける必要なし
という目安があります。
「一晩」としているレシピもありますが、
少しでも梅にキズがあるとそこから水を吸ってふやけてしまったり
長時間水に漬けすぎると傷んでしまったりするので、
寝る前に漬けて放置するのではなく、起きている時間帯に水に漬けて様子を見ながらの方がよいです。
梅ジャムにするためのアク抜きに、絶対必要なこと
水に漬けても漬けなくても、
茹でこぼす
というアク抜きは必ず行います。
茹でこぼすことによって、クエン酸も適度に抜けて寒天のように固まる、という失敗もしにくくなります。
失敗しない梅ジャムの作り方
【材料】
- 梅 1㎏
- 果糖 種を外した梅の重量の55%程度
※こんなに作っても食べきれない、という人は梅の実500gまでは減らしても比較的作りやすいです。
※HMペクチンは糖度55%くらいで固まります。
あまりにも糖の量を減らすと、とろみがつきません。
【作り方】
1.梅のなり口の黒い部分を竹串などでとります。
2.酸に強いホーローなどの鍋に梅とたっぷりと水をいれて50℃(ぎりぎり手が入る熱さ)くらいになったら水を捨てます。
3.再び新しい水を入れて火にかけ、50℃くらいになったら水を捨てます。
※青梅は3回、完熟梅は1、2回茹でこぼします。
ほんの少し味見をして、苦みが残っているようならもう一度茹でこぼします。
4.種を取り除き、裏ごししてピュレ状にします。または庖丁で小さく刻みます。
5.4に果糖の量の半分を入れて中火にかけ、出てくる泡のようなアクを丁寧に取り除きます。
6.5分ほど煮たら残りの果糖を加えてさらに煮ます。あくが出たら取り除きます。
7.トロッとしたら火を止めてできあがり。
煮沸消毒した保存瓶(ガラス)に入れます。
※ここで煮詰めすぎると、冷めたときに固くなります。ゆるいなーくらいでちょうどよいです。
ジャムを長期保存するには?
せっかくなので多めに作って保存したい、という場合は、
熱湯で真空状態にして保存することができます。
広口瓶を煮沸消毒(10分以上90度以上の湯で煮る)して、瓶、フタを取り出して完全に乾燥させます。
お湯は捨てないでそのままとっておきます。
ジャムを熱いうちに瓶にいっぱいにつめ、しっかり蓋をします。
煮沸消毒に使ったお湯にジャムを入れた瓶を立てたまま入れます。
お湯の深さは瓶の半分くらいです。
(直火にかけるので、瓶がなべ底に触れないように、網とか耐熱の皿などを敷くとよいです)
火にかけて、90℃になったらそのまま15分ほど煮沸します。
徐々に水を加えて、60℃まで冷まします。
5分経ったらお湯から出して冷水に15分つけます。
失敗しない梅ジャムの作り方 えぐみ・固まりすぎを防ぐ方法 まとめ
梅ジャムの失敗は
苦味が残っている
固まりすぎ
ですが、これらは
茹でこぼしによるあくぬきと煮詰めすぎないことで防ぐことができます。
煮沸真空にすれば1年程度保存できますので、ぜひ作ってみてください。