有名佃煮店や道の駅などで売っている「きゃらぶき」。
ほんのりした苦みと香りがあって、おいしいですよね。
ご飯のおともにもなりますし、刻んでおにぎりにいれてもいいです。
圧力なべを使うと、自宅でも柔らかいきゃらぶきを短時間で作ることができます。
きゃらぶきの材料は?
きゃらぶきとは、漢字では伽羅蕗と書きます。
伽羅(きゃら)とは、古代インドの言葉である梵語で「黒」という意味であり、
きゃらぶきは、蕗やツワブキを醤油で黒くなるまで煮しめたもの、という意味になります。
きゃらぶきの材料は、蕗のなかでも山蕗とよばれる細くて赤い軸のものです。
翡翠(ヒスイ)煮や土佐煮にする普通の太い蕗は水分が多いので、煮てもなかなか
きゃらぶきのキュキュっとした食感や黒いツヤのある色にはなりません。
また石蕗(つわぶき)は山菜の一種で、蕗とは違う種類ですが、
葉の形が似ているので「ふき」という名前がついています。
今回は、山蕗の下処理と、圧力なべを使った煮方をご紹介します。
山蕗の下処理(アク抜き)
最近はごぼうやナスもアクが少ないものが多くなってきましたが、
普通の蕗も山蕗も、強い「アク」があります。
アク抜きをしないでいきなり料理すると、えぐ味があって残念なことになります
下処理の段階でしっかりアク抜きをします。
ところで、アクが強い、ということは、
扱っている指先や爪の間も黒くなりがちです。
この方法だと、それがかなり抑えられるのでおすすめです。
【用意するもの】
あまり蕗を短く切らずに入れられるような直径の大きな鍋か、深い中華鍋、炒め鍋など
蕗を水にさらす用のバット。でもなければ、茹でた鍋を洗ってそこでさらしてもいいです。
洗い桶をきれいに洗って使ってもOKです。
今回の方法では、茹でてから皮をむくので、
鍋が小さくて蕗を短く切ると、皮をむく本数が多くて大変なんです・・・
【下処理の仕方】
流水で、蕗を洗います。
こすり洗いすると、蕗の産毛のような細かい毛も取れます。
葉がついていたら葉と茎に分けます。
きゃらぶきにするのは茎だけです。葉は茹でて水にさらしたら、刻んでジャコなどと炒め煮にするといいいです。
鍋の直径に合わせて茎切りそろえます。
山吹の茎の先端は赤くなっていますが、そこも使えます。
鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩をひとつまみ入れ、
切った蕗を並べて入れます。
強火で3~5分くらいを目安にゆでます。このくらいだとゆで加減は固めです。
ゆでた蕗を引き上げ、バットに冷水を入れて蕗を入れます。
蕗が冷めたら、水の中に入れたまま、蕗の皮をむきます。
水と皮を捨ててバットに新しい水を張り、そのまま蕗を1、2時間さらしておきます。
ここまでで下処理完了です。
きゃらぶきの作り方
【材料】
- 山蕗 500g
- ざらめ糖 大さじ1
- 水 80㏄
- みりん 20㏄
- しょうゆ 80㏄
- 日本酒 50㏄
- 鷹の爪 1本
【作り方】
1.アク抜きした山蕗を3、4㎝長さに切ります。
2.圧力なべに水と鷹の爪、日本酒以外の調味料、1の蕗を入れます。
3.蓋をして高圧に合わせて火にかけ、圧力が上がったらごく弱火にして10分加熱します。
4.10分経ったら火を止め、圧が落ちたら蓋を取って、日本酒と鷹の爪を入れて、
水気がほとんどなくなるまで煮詰めます。
圧力鍋を使って時短!きゃらぶきの作り方 まとめ
山蕗、ときどきお米を買っている農家さんからいただくことがあるのですが、
量が多いと下処理で折れそうになることがあります・・・
でもゆでてから皮をむく方法にしてから、
指や爪にアクがつきにくいので結構気が楽です。
圧力鍋がなかったら、普通の鍋でコトコト、気長に煮ればいいのですが、
あの、伽羅蕗の色と食感を出すにはかなりの時間がかかります。
伽羅蕗には、好みで山椒の実少々を入れてもよいです。