湯せんできるポリ袋「アイラップ」(岩谷マテリアル製)を使った、パッククッキングの「サバの味噌煮」の作り方をまとめました。
以前、記事にした「低温調理法でのサバの味噌煮」の作り方をベースに、少しですが、工程がラクになるようにしています。
目次
アイラップを使ったサバの味噌煮の材料と手順
・サバ半身 1枚
・酒 50ml
・砂糖 大さじ2/3
・味噌 大さじ2と1/2
・生姜薄切り 5、6枚
1.サバの臭みをとる下処理
2.合わせ調味料のアルコール分を飛ばす
3.ポリ袋にサバと調味料を入れて湯せん
「アイラップを使ったサバの味噌煮」写真付きプロセス
1.サバの半身を流水で洗ってキッチンペーパーで水気をふき取ります。
2、3切れに切り、皮に切れ目を入れます。
2.深いフライパンに半分くらいの量の水を張り、小さじ1の塩を入れます。
1のサバを入れて弱火にかけ、40℃弱まで温度をあげたら火を止めて3分置いてサバを取り出し、キッチンペーパーで水気をふき取ります。
フライパンは洗って、こんどはたっぷりめに水を入れておきます。
3.酒、砂糖、生姜の薄切りを小鍋に入れて火にかけ、しばらく沸騰させてアルコール分を飛ばします。
火からおろして、味噌を入れて混ぜます。人肌まで冷ましておきます。
4.ポリ袋(アイラップ)にサバと3の調味料を入れます。
水をはったボウルに入れてポリ袋の中の空気を抜きながら口を閉じます。
5.フライパンに
ストレーナーを入れる
底に耐熱性の皿を敷く
布巾を敷く
など、ポリ袋が直にフライパンに触れないようにして、4を入れて中火にかけます。
アイラップは湯せんができるポリ袋ですが、直火で温めている鍋肌は耐熱温度よりも高くなることがありますので、直接触れないようにしてください。
6.温度が65℃になったらさらに1分加熱して火を止めます。蓋をして40℃弱くらいになるまでそのまま冷まし、冷蔵庫に入れて保存。
※室温25℃の日で、65℃⇒40℃に下がるまで、1時間くらいかかりました。
7.温かい状態で食べたい場合は、65℃のお湯で8分間くらい湯せんして温めなおします。
低温調理のサバの味噌煮で十分に加熱できている?
サバなどの魚料理で気になる食中毒、というと腸炎ビブリオとアニキサス(寄生虫)です。
アニキサスは60℃1分の加熱
で死滅するそうです。
今回の、低温調理のサバの味噌煮は、
65℃で1分加熱して火を止めフライパンに蓋をして人肌まで冷ます
という作り方をしています。
深型フライパン26㎝に、たっぷりお湯の量のお湯だと、室温25℃程度で、60℃以下に温度が下がるまでに10分程度かかるので、それくらい加熱ができれていれば大丈夫ではないかと思いますが、
中心部が60℃以上で10分間加熱されるようにする、という目安で、
鍋の材質や湯せんする湯の量、室温なども考慮して、加減してください。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/micro/tyouen.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html
食中毒の予防には、加熱時間だけではなく、調理、手や調理器具を清潔に保つことも注意してください。
また、サバは、鮮度が落ちるとサバに含まれるヒスチジンがヒスタミンに変わり、菌由来ではない食中毒を起こすことがあります。食材の鮮度には注意してください。
ポリ袋パッククッキング「サバの味噌煮」の作り方(アイラップ使用)のまとめ
以前、テレビ番組で紹介された「水島弘史さん低温調理法のサバの味噌煮」を、自分でも作ってみてまとめた記事があるのですが
一部ポリ袋調理だが、全体では洗いものがそこそこ多い
調理に時間がかかる
テレビ番組では、湯せんに使えない低密度ポリエチレンのジッパー付き保存袋を使っていた
点が気になっていました。
水島流低温調理法は、加熱温度を低くすることでたんぱく質の急激な変性を防ぎ、おいしくしあげることが第一の目的であって、洗いものを少なくするとか、短時間で仕上げる、といったことはそもそも、目的にないわけですからそこは仕方がないです。
ただ、主婦としては、低温調理は科学的な方法で、おいしい作れるのかもしれないけれど、正直、
「これはちょっと毎日の食事の支度に使うのは無理だわー」
という面もあるんですよ。
一方で、ポリ袋調理は、密閉状態で加熱するので、
調理器具が汚れない
密閉されるので味が浸みやすい
密閉されているので、風味やうまみが逃げない反面、酒のアルコール分や魚の臭みがとばない
密閉されているので水分が蒸発せず、煮詰められて味が濃くなることがない
という特徴があります。
そこで、
低温調理のサバの味噌煮の作り方を参考に
調味料を合わせたら一度煮立ててアルコール分を飛ばす
フライパンで煮汁を煮詰める過程をはぶくため、ポリ袋には「水」を入れない
湯せんは「水⇒65℃」で。65℃になったら1分加熱して火を消し、人肌まで冷ます」
という作り方にしました。
また、サバの味噌煮の低温調理法を紹介したTV番組で「湯せんに使えない」とパッケージに書いてあるジッパー付き保存袋を使っているのも気になっていて(実際には、お湯の温度は70℃なので鍋肌に触れさせなければ耐熱温度未満ではありますし、大丈夫なのだとは思います)、
今回は、湯せん調理ができる「アイラップ」を使いました。
・サバを下処理した深型フライパンを一度洗う手間はかかりますが、濃い煮汁をフライパンで煮詰めなくていいので、洗いものは楽。
・「煮る」段階ではポリ袋に入っているので、調理中サバのにおいはほとんど出ません。
・ポリ袋調理で残りやすい魚のニオイや、酒のアルコール分が残らない。
・「冷ます」という過程があるので、そのまま冷蔵庫で保存して「作り置き」にするのに向いています。
ポリ袋調理の中では時短、簡単、というところは弱いですが、
ニオイをださずに、ぱさぱさにならないサバの味噌煮ができるので、試してみてください。