以前書いた、ジップロックなどのジッパー付き冷凍保存袋で湯せんでご飯を炊くのはダメ、という記事がよく読まれているようです。
記事中では、ジッパー付き保存袋よりも耐熱温度が高い、高密度ポリエチレンのポリ袋または複合ナイロンの袋なら湯せんでごはんを炊ける、と書いたのですが、具体的にどうやって炊くか、までは説明していなかったので、
実際に、シャカシャカのポリ袋=アイラップで炊飯する方法を紹介します。
岩谷マテリアル株式会社の「アイラップ」公式Twitterアカウントさんがツイートしていた、パッククッキングの方法で、実際に、2種類のごはんを炊いてみました。
停電で、電気炊飯器が使えない、ガスが止まってガス代が使えない、というときにも、カセットコンロがあれば、この方法でご飯を炊くことができます。
目次
湯せんできるポリ袋「アイラップ」でご飯を炊く方法
9月4日の関西の台風、9月6日早朝の北海道の地震、といった災害続きの中、「アイラップ」の公式Twitterアカウントから、ポリ袋を使ってごはんを炊く方法がツイートされていました。
Twitter中の人が、以前、個人的に参加したパッククッキングの講習会で習ったことだそう。
注意点:
① 鍋底に耐熱皿を敷く
② 鍋肌に #アイラップ を密着させない
③ ジュース類は水より浸透率が低いから硬めに仕上がる
④ 1袋=1人分まで、人数分の袋を用意する
⑤ 鍋に入れすぎると②の危険ありアドバイス:
① 米:水の割合は1:1.5で覚えよう
② 1回目は失敗も多いから3回は練習を pic.twitter.com/UoBkR1tJFI— アイラップ【公式】 (@i_wrap_official) 2018年9月6日
以下、この内容でご飯を炊いてみます。
<実践>ポリ袋「アイラップ」のパッククッキングでごはんを炊く
用意したもの
- 白米 60g×2セット
- 水 90ml
- トマトジュース60ml+水30ml
- アイラップ 2枚
お米と水(水分)の量をはかる
ポリ袋でご飯を炊く場合、一つの袋にたくさんの量を入れないほうがいいそう。
鍋や、炊飯器では、直接熱源が当たりますので、中で対流が起きてムラなく加熱できますが、
ポリ袋を湯せんで温める方法では、対流が起きない(起きにくい、なのかもしれませんが)ためと思われます。
レシピでは、「おにぎり1個分」として60g、となっていました。
アイラップで直接60gをはかればいいですね。
が、しかし、
災害の時に、このような電子はかりが手元にあるとは限りません。
そういうときのために、他の方法でおよその「60g」をはかる方法を確認しておくといいですね。
お米100gは120㏄なので、60gは約70㏄になります。
計量カップや大さじがあればそれを使えばいいですが、
計量カップ以外の身近な入れ物で、60g(50gでもいいと思います)の目安をつけておきましょう。
このプラカップは上の線までが200mlで、60gのお米を入れると、これくらいになります。
災害用の持ち出し物の中に紙コップを入れてあるのなら、
その紙コップで測ると、60gのお米がどのくらいの位置まで来るかを確認しておきましょう。
「お米:水は、1:1.5にします」というのは、「重さ」での比率のようです。
お米が60gなら、水の量は90g(90ml)になりますね。
これも、紙コップなどで確認しておくといいでしょう。
キャンプの時などは、お米を計って袋に入れて、持っていきましょう。
浸水する
炊飯器で白米のご飯を炊く時に、浸水の時間はとらないことが多いですが、ポリ袋調理の場合は、30分間水に漬けます。
ポリ袋(アイラップ)にお米を研がずに入れ、分量の水を入れて口をねじって結びます。
炊くとお米が膨らみますので、中身は少し余裕を持たせておきます。
今まで、他の湯せん調理でもつかってきてアイラップがすごいのは、自分的な感覚で「きつく」ねじって片結びにすれば湯せん中の水漏れがないこと。
トマトジュースは、濃いタイプだったので、今回は、
トマトジュース50ml+水40ml
にしてみました。
お湯を沸かしてお米を湯せんする
アイラップを使って、湯せんごはんを炊くときには、鍋肌に直接触れないようにする必要があるので、
鍋底に耐熱皿を敷くか、このようなストレーナー、ゆでザルを鍋に入れて使います。
ポリ袋に入れたお米が完全にお湯に浸る量のお湯が入ればいいので、
お鍋でなくても、こうした深型フライパンでもいいです。
お湯が沸騰したら、水に漬けて30分経過させたポリ袋入りのお米を入れてポコポコする程度の火加減で、30分湯せんします。
炊き上がり
30分経過したので取り出して、10分ほど置いてから、ポリ袋を開くと
炊けていました!
:最初は失敗しやすいので平時に3回くらい練習を」とのことですが、
今回は、きちんとはかりで計量したためか、初めてでも食べられるものができました。
練習するとしたら、「紙コップで目分量」の練習をしたほうがいいかもしれません。
トマトジュースの濃さは好みだと思いますが、私はこれくらいでちょうどいい感じです。
今回は無塩のトマトジュースで他の味をつけずに炊きましたが、もしあれば、コンソメなどを入れてもおいしいと思います。
アイラップ炊飯のメリットデメリット
- 洗いものが減る
- 同じ鍋で違う味のご飯を炊いたり、野菜をゆでたりできる
- 停電時もカセットコンロで炊ける
- 時間がかかる(約40分)
- 水がわりとたくさん必要(災害時)
- きちんと計量する必要がある(災害時)
一般的な調理法としてのメリットは、「洗いものを減らしつつ、同じ鍋で他のパッククッキングもできる」、デメリットは「時間がかかる」。
災害時・非常時には、停電でもご飯が炊けて洗い物が少ないのはメリットですが、
水の確保、計量カップがなかった時の測り方を普段から練習しておく必要がある、などがちょっと困ることかもしれません。
まとめ
湯せんできるポリ袋「アイラップ」でご飯を炊く方法は、
白米60gを水90mlとともにアイラップに入れて、30分浸水した後、
鍋肌に直に触れないように、沸かした湯に入れて、30分加熱、
10分ほど蒸らしてから袋を開けます。
直火加熱して沸騰した状態での湯せんは、
公式に推奨はできない使い方なので、自己責任にはなるそうですが、
災害時には、ポリ袋が鍋肌に触れないように注意して使ってくださいとのことです。
ポリ袋調理にすると、
洗いものが少ない、
一つの鍋で、ご飯を炊きながら、他の野菜をゆでる、など同時に複数の料理ができる、
というメリットもありますので、
まず、なんでもないときに試しておくのが良いと思います。
普段の調理方法としては、ご飯を炊くだけで40分かかってしまうので、あまり便利、とは言えない方法ですが、
キャンプでカレーなどを作りながらなら使えそうですし、何かの時のために覚えておくといいですね。