いろいろ料理

ゴーヤの苦みを確実になくす下ごしらえと調理法

沖縄料理でよく使われるゴーヤですが、
最近は日本全国に広まってきました。

沖縄では年中出回っていますが、
真夏になると北海道産のゴーヤも東京に出回ります。

また、節電のためのグリーンカーテンとして夏にゴーヤを育てる人も多いですね。

抗酸化作用があり疲労回復や美白に効くビタミンC、
体の熱を取り去って余分な塩分を排出するカリウムが豊富なので、まさに夏に食べたい野菜ですが、
苦さが苦手、という人、特にお子さんに多いと思います。

そこで、ゴーヤの苦味の確実になくす下ごしらえ方法、苦みが気にならない調理法をご紹介します!


沖縄のゴーヤは苦くない?

ゴーヤと言うと、独特の青臭さと苦味が特徴なのですが、
実は、ゴーヤ(にがうり)にはけっこう種類があります。

沖縄でよく栽培・食べられているのは
あばしゴーヤという、太くてずんぐりした形をしたもので、苦みが強くありません。

島さんご、という品種名で種や苗が販売されているので、
家庭で栽培する場合は、入手して育てることもできます。

他の地域でよく売られているゴーヤはこれよりも細長いタイプで、
苦味が強いものが多いです。

ゴーヤの苦味成分とは?

ゴーヤの苦味の元は、主に、
緑色の果皮に含まれる、モモルデシン、チャランチンという成分です。
コロソリン酸、ククルビタシンも苦味成分です。

また、ワタにはキニーネという成分が含まれていてこれも苦味になります。

ゴーヤ 苦味をとる

【モモルデシン】
水溶性の成分で、胃液の分泌を促して食欲不振を解消したり、血糖値とコレステロール値を下げる作用があります。

【チャランチ】
脂溶性の成分で、血糖値とコレステロール値を下げる作用があります。

【コロソリン酸】
コロソリン酸は、脂溶性の成分で、別名植物インスリンと言われています。インスリンに似たタンパク質で、血糖値を安定させます。

【ククルビタシン】
水溶性の成分で、ウリ科の植物に微量に含まれる植物性ステロイドです。40以上の種類があり、ククルビタシンCには抗がん作用があるとされています。
まれに、大量のククルビタシンを含んだズッキーニやユウガオなどを食べて中毒症状を起こした、という例がありますが、
ゴーヤに含まれているくらいの量では問題はありません。

キニーネ】
植物性アルカロイドの一種で、抗原虫作用があり、マラリアの特効薬として有名ですね。
解熱作用(体を冷やす)、子宮収縮作用があるため、妊婦さんは避けたほうが良い、と言われていますが、
沖縄で、「妊婦はゴーヤを食べない」という話はありませんし、
普通に食べる分には問題ありません。どうしても気になる方は産科のお医者さんに相談してみてください。

ゴーヤの苦味を取る下ごしらえ

上で見てきたように、ゴーヤの苦み成分には、実は様々な健康作用があります。
できるだけ苦味もそのままに食べたほうが、そうした効果は得やすいのですが、
おいしくないと感じるのでは本末転倒ですし、

男性や子どもは、女性より苦みや青臭さに敏感なことが多いようで、
しかも一度「まずい、きらい」と思うと、二度と食べてくれなかったりしますので、特にしっかり苦味を取るのが無難です。

慣れてきたら、苦味を多少残して、濃いめの味付けにするなど様子を見て加減してみるといいですね。

1.ワタはとってもとらなくてもよい

ワタ以外の部分にも、苦みはしっかりありますので、ワタをとっただけでは苦味はとれません。

ワタには果皮の3倍もビタミンCが含まれていますので、食感が気にならないのであれば、少し残しめにしても大丈夫です。

2.薄く切る

3㎜程度の薄切りにします。

3.塩でもむ

あまりしっかり手でもむとバラバラになってしまうことがあるので、
塩を振って10分置いてから水洗い、という方法でもOKです。
水溶性の苦味成分がここで抜けます。

4.砂糖でもむ

不思議な感じですが、砂糖でもむ、または砂糖を振って10分程度置いてから水で流す方法でも苦味が抜けます。

5.茹でる

沸かしたお湯で茹でます。
塩もみした後であれば10秒程度、いきなり茹でるときには30秒程度茹でます。

茹でると青臭さも減って食べやすくなります。

ゴーヤの苦味を取る調理法

下ごしらえでは、主に、水溶性の苦み成分を取りますが、
脂溶性の苦味は残ります。

そこで、炒め油や、一緒に合わせる食材の「脂」で脂溶性の苦みを抑えます。

沖縄料理のゴーヤチャンプルーでは、豚肉や卵を使いますし、
油で炒めますよね。

その他、シーチキン(オイルツナ缶)、マヨネーズもゴーヤに合いますよ。

素揚げにしてカレーのトッピング、というのもおいしいです。

ゴーヤの苦味をうまみにするかつお節

ゴーヤチャンプルーは最後にけずり節を乗せますが、
ゴーヤ料理に鰹節を使うと、苦味成分の中の、ククルビタミン(トリテルペノイド)がかつお節に吸着されます。
参考リンク

さらに、うまみ成分であるイノシン酸、グルタミン酸が加わるので、ゴーヤの苦みが気にならずにおいしくいただけるようです。

かつお節の苦味抑制効果は、エキスではなく、むしろ出汁ガラのほうにあるので、
かつおだしで調理したのでは苦味は薄らぎません。
ゴーヤの煮ものであれば、直接けずり節を入れる「直鰹」をします。

かつお節による苦味抑制は、成分を取り去ってしまうわけではないので、
できるだけゴーヤの栄養を生かす、という点からもよいですね。

ゴーヤの苦みを確実になくす下ごしらえと調理法 まとめ

ゴーヤの苦み成分は、血糖値やコレステロールを下げる健康作用がありますので、
本当はできるだけそのまま食べたほうがいいのですが、
あまりにも苦いと食べにくいですよね。

水溶性の苦みは、塩もみや下茹でで、
脂溶性の苦みは油で調理することで薄らぎます。

またかつお節にも苦みを抑える作用がありますので、うまく活用しましょう。



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